2023.12.16(土) - 2024.01.30(火)

吉田博(1876-1950)は、明治から昭和にかけて、水彩画、油彩画、木版画の分野で西洋画壇を牽引した画家として知られています。44 歳で自身の下絵による木版画が出版された後、49 歳にして初めて自身の監修による木版画の作品を発表し、西洋の写実的な表現と日本の伝統的な木版画技法を統合した新しい木版画の創造をめざしました。
本年は、博が本格的に木版画制作を開始するきっかけとなった、大正12年(1923)の外遊から100年になります。この旅で日本の伝統を生かした新しい木版画の必要性を実感した博は、帰国後初めて監修した木版画「米国、欧州の部」シリーズを発表し、後半生は油彩画と並行して木版画の制作に情熱を傾けました。
この度の展観では、100年経過してもなお国内外で愛される吉田博の木版画約70点を紹介します。