2026.05.15(金) - 2026.07.07(火)

江戸時代、浮世絵版画は現代におけるSNS等にも相当する情報メディアとしての役割を担っていました。中でも、旅の情景を生き生きと伝えた代表作が、歌川広重(1797–1858)による保永堂版「東海道五十三次」です。江戸時代後期に高まった旅行ブームを背景に大きな人気を博し、広重の出世作となりました。
本シリーズは、江戸日本橋から京都に至る東海道の旅情を、四季の移ろい、天候や時刻の変化とともに描き出し、臨場感あふれる風景表現を特徴とします。街道風景については広重の実際の見聞や先行して出版された資料等に基づき描写する一方、「箱根 湖水図」にみられる切り立つ山容や、「蒲原 夜之雪」に代表される幻想的な雪景色には、現実を離れた広重ならではの創造力も随所に発揮されています。
本展では、「東海道五十三次」全55作品を一挙公開するとともに、東海道の宿駅の現在の風景を撮影・比較展示し、現代の東海道の旅もご紹介します。また、高精細デジタル画像で撮影した「東海道五十三次」を、当館スタッフの技術により、オリジナル・フィルム・プロジェクションとして、大画面に投影します。江戸庶民の旅への憧れをかきたて、現代においても多くの人々に愛好される本シリーズを、現代の東海道の姿とを重ね合わせながらご鑑賞ください。