sousisha1.jpg 双柿舎
わが国の教育、文学、演劇などの近代化におおきな足跡を残した坪内逍遙は、明治45年(1912)からの23年間を熱海で過ごしました。
彼の最大の業績ともいえる「シェークスピア全集」の翻訳は、熱海の住まい「双柿舎(そうししゃ)」でなされました。
また、芸者や旅館の主など地元の人たちとも深い交流を持ち、熱海芸者のために舞踏の新曲「熱海の栄」を作詞、振付し、現在でも「熱海市歌」として歌い継がれる「熱海町歌」の作詞や、熱海の歴史や伝統を題材にした「熱海町民のためのページェント」なども制作しました。
このような逍遙氏の偉業をたたえ、遺徳を偲ぶため、「第41回逍遥忌記念祭」を、命日である2/28(火)に開催します。
今回は、逍遥氏ゆかりの方々による「お慕いの言葉」奉読、同氏が作詞をした「小蓬莱」「熱海市歌」の斉唱、また、記念講演:「写真で綴る熱海と逍遙」(講演者:菊池明、聞き手:濱口久仁子)と記念上演:「新曲浦島」(舞踊家:若柳翔寶)を予定しています。
kiunkaku_20120217073548.jpg 起雲閣
【第41回逍遥忌記念祭】
日時/2/28(火)13:30~15:30
会場/起雲閣「音楽サロン」
入場料/無料(起雲閣裏門(P側)より入館して下さい)
 ※「起雲閣」内の見学は別途入館料がかかります。
問合せ/熱海市文化交流課0557-86-6232
※同記念祭終了後、同氏の墓がある海蔵寺(水口町17-24:電話0557-81-3409)への墓参を予定しています。
「真冬を知らざる 常春(とこはる)熱海・・♪」で始まる”熱海市歌”の歌詞を大正12年に当時の熱海町長(当時は熱海町)の依頼で作詞したのは、明治の文豪「坪内逍遙(つぼうち しょうよう)氏」です。
東京大学文学部英文学科を卒業し、早稲田大学の教授に赴任、文学部の創設に大きな影響を及ぼした逍遙先生は、日本の近代文学の誕生に貢献されたほか、演劇、教育など幅広い分野でその類まれな才能を発揮した偉大な文学者であり、また”熱海”をこよなく愛した人でもあります。
明治12年、学生の頃に初めて熱海に滞在したときに気候風土・温泉・住民の人柄を大変気に入り、明治45年には別荘を構え早稲田大学の教授職を辞任後、大正9年に水口町に現存する双柿舎」に夫人とともに移り住み、研究と創作の日々をここ熱海で過ごしたのです。(昭和10年2月28日、77歳で双柿舎にて永眠)
現在の市立図書館の設立には所有の貴重な書籍や歴史資料を多数寄贈していただいた逍遙先生の影響が大なるものであります。
半生をかけたシェークスピア全集の翻訳を完成させた先生は、熱海の地でその人生の幕をおろし、双柿舎近くの海蔵寺の墓所に夫人と安らかに眠っておられます。