同美術館にると、少年時代の澤田は画家を志していたが、「画家として生計を立てるのは大変、木彫なら仏像をつくる道も開ける」という両親の意向もあり、旧制韮山中を中退して熱海市出身で東京在住の山本瑞雲(高村光雲の高弟)に弟子入り。そこで5年間の修行生活を送り、東京美術学校彫刻科別科卒業しました。木彫作家として後世に名を残しましたが、少年時代の絵画にも力強い生命感と詩情が見て取れるようなきがします。
同美術館は、澤田政廣の作品約1200点(彫刻は約200点)とコレクション約6400点を所蔵し、年に4回程度作品を入れ替えています。学芸員の藤田実花さんは「毎回、工夫を凝らして展示替えしますが、澤田政廣の旧制韮山中学時代の絵画を中心に展示するのは珍しい。今とは違う明治後期から大正初期の熱海の風景をご覧になってください」と観覧を呼び掛けています。4月23日〜8月22日まで。