明治30年に読売新聞で発表され、明治の時代に多くの読者を魅了した尾崎紅葉の名作「金色夜叉」（こんじきやしゃ）。
主人公の間貫一（はざまかんいち）と鴫沢宮（しぎさわみや）が 1月17日の月の夜、熱海の海岸で泣く泣く別れることになり、 舞台となった熱海は憧れの観光地となりました。
このように日本中の人々が、熱海の名を知るきっかけとなった「金色夜叉｣の作者である 尾崎紅葉の偉業をたたえ遺徳を偲び、毎年1月17日に「尾崎紅葉祭・紅葉筆塚祭」を開催しています。
本年も1月17日（金）11時より、紅葉愛用の筆がまつられている 湯宿一番地前の筆塚にて「紅葉筆塚祭」を開催。
保存会を構成する地元町内や市の関係者ら約60人が参列し、 神事が執り行われました。
（この筆塚は、紅葉が用いた筆をまつり昭和7年に建立されました。 同祭は田原本町、東田原町、田原町、桃山町、桃山台町の各町内会でつくる筆塚保存会が毎年開催しています）
また、仲見世商店街では、「貫一鍋」と名づけられた豚汁と、「お宮鍋」と名づけられたアオサ入りの味噌汁の 計600食分を市民や観光客に振舞いをし、賑わいました。
場所を移し、「お宮の松・貫一お宮像」の前では12時30分から「第72回尾崎紅葉祭」を開催しました。
市関係者や市民、観光客ら約100人が集まり、熱海市長やご遺族の方々など関係者の挨拶・献花を行い、 その後、熱海芸妓の愛千代さん（貫一）、小夏さん（お宮）による寸劇「熱海海岸の別れの場面」を披露しました。
また、13時から「熱海芸妓見番歌舞練場」にて開催した「記念演芸会」にも市民、観光客ら約100人が来場。
「熱海愛再び」「金色夜叉」「新幹線」「三下り甚句」の演目を、 立ち方:愛千代さん、小夏さん、関美さん、ちづ穂さん、ほたるさん、地方:小富士さん、露子さん、伊豆乃さん により披露されました。
立ち方と地方の息の合った舞台と、普段なかなか間近で見ることができない芸妓の舞に、来場のお客様は、 カメラを向けたり演目ごとに大きな拍手をおくっていました。
各会場に足をお運び頂きました皆さん、どうもありがとうございました。
