「お宮の松」がある熱海市東海岸町の「貫一・お宮の像」の前で1月17日、「尾崎紅葉祭」(熱海市主催)のハイライトとなる熱海芸妓による寸劇が行われました。小説「金色夜叉」でおなじみの「熱海の海岸…散歩して…」の小唄が流れる中、貫一が失恋の怒りからお宮を下駄で蹴り飛ばし、お宮が「涙で今月今夜の月を曇らせる」とほおを濡らす「熱海海岸の場面」を再現しました。
 およそ170人の観衆が見守る中、77回目の今年は貫一役を琴千代さん、お宮役を蘭さんが演じました。
 熱海芸妓による貫一・お宮の寸劇は昭和30年代から演じられるようになり、尾崎紅葉祭の名を全国に高めるとともに毎年市民や観光客を楽しませています。同祭は小説で泣き別れの場面として登場する1月17日に開かれています。
式典では市長、市議会議長議長、県議、熱海市観光協会会長に続いて、遺族を代表して孫の尾崎伊策さんが挨拶。関係者が献花しました。貫一、お宮との記念撮影も行われ、観光客らが記念写真を楽しんでいました。
■新聞小説 金色夜叉は明治30年1月1日から同35年5月11日まで読売新聞に連載され、熱海の名を全国に知らしめました。
■今年で77回目 尾崎紅葉祭は昭和14年1月17日が第1回(熱海文芸懇談会主催)。翌年から熱海市主催に代わり、今年が77回目(戦時中の昭和17~20年は中止)